中小企業における知的財産権の活用
日本の中小企業数は約358万社であり全企業数に占める割合は99.7%、付加価値額では52.9%となっています。しかし、特許出願となると中小企業の割合が随分と低くなります。
特許出願件数も特許現有権利件数も15%に届いておりません。
では特許以外の知的財産も含めて中小企業の取得状況を見てみましょう。
中小企業では実用新案の出願が55.8%と大企業を上回っています。また個人の出願も30.9%と多く、特許と比べて審査請求制度がなく出願すれば権利化されるため使い勝手の良さから中小企業や個人からの出願が多いものと思われます。
商標においても中小企業は61.4%と大企業を上回っています。そもそも大企業よりも中小企業の数のほうが圧倒的に多いため、このような結果になっているのでしょう。また特許や意匠に比べて商標の場合はサービス業も出願しやすいのも中小企業の割合が高い要因です。
引き続き、大企業と中小企業に分けた特許権の使用率及び中小企業における知的財産権の使用率を確認します。
大企業、中小企業それぞれが所有している特許に対する実際に使用している特許の割合ですから、中小企業の方が使用を目的に特許を取得している状況が読み取れます。大企業の場合は、防衛目的で取得している特許も存在するためこのような結果となっています。
中小企業が使用目的で知的財産権を取得している状況が、実用新案権、意匠権、商標権共に80%を超えていることからも読み取れます。
最後に今一度、知的財産権を活用するメリットを確認しておきます。
(図表は2020年度版中小企業白書より引用)