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プルースト効果

プルースト効果

香りを嗅ぐことにより、その時の記憶や感情が蘇る現象。

 

【解説】

 プルースト効果は、フランスの作家マルセル・プルーストの名前に由来します。プルーストの作品「失われた時を求めて」では、物語の語り手が紅茶に交じったマドレーヌの味をきっかけに幼少期の記憶を思い出すくだりがあります。そこから香りを嗅ぐことで記憶や感情が蘇る現象を、プルースト効果と呼ぶようになりました。

 

【信憑性】

 視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の五感のうち、嗅覚だけが食欲・性欲・睡眠欲等の本能、喜怒哀楽、情緒などを司る大脳辺緑系に直接つながっています。そのため他の感覚よりもダイレクトに脳に影響を与えます。

認知症の患者に、思い出に結び付いた臭いを嗅がせると家族のことを思い出したという報告例もあり、アロマセラピー認知症のケアに用いられています。

プルースト効果は、医学的にも効果が認められていると考えてよいかと思います。

 

【適用例】

ビジネスでは、香りを用いたマーケティングが考えられます。フレグランスマーケティングという用語もあるくらいです。狙いとしては、以下の3点があります。

①感情へ働きかける

②記憶してもらう

③思い出してもらう

 

売店やサービス業の店舗で、店内を心地よい香りで満たすことで来店客の気持ちを落ち着かせたり、独自の雰囲気作りに活用できます。実際、ラスベガスのカジノでは、気分を高揚させる効果のあるオレンジやジャスミンの香りが使われているそうです。

ある特定の臭いと商品やブランドと結びつけることができれば、その臭いに結び付けて商品のことを記憶してもらうことができます。なにかのキッカケにその臭いを嗅いだ時に、商品やブランドを思い出してもらうことができます。思い出してもらうことで、再度の購買に結び付きます。

 

また特定の臭いを嗅ぎながら勉強して、試験会場にその臭いを染み込ませたハンカチを持って行き、机の上に置けば記憶を蘇らせる効果が期待できます。

常に同じ香水をつけて異性に接すれば、その臭いを嗅いだ時に自分を思い出してもらうことができます。会ってもいないのに思い出してもらうことで、異性に自分の事を意識していると思わせることが期待できます。それが好意に発展していけば楽しいですね。