マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

アンバンドリング

アンバンドリング

従来、 一体として販売していた製品やサービスを、分解して販売する。

 

【ビジネスモデルの内容】

 これまで一体のものとして販売されていた商品やサービスを顧客の希望する部分のみ取り出して販売する方法。

顧客にとっては不要な部分を購入するムダが省け、企業にとっては購入されない部分に費やしていた経営資源を他の用途に振り分けることができるようになります。

 アンバンドリングという言葉は、IBMがコンンピュータの販売において、ハードウェアとソフトウェアを別々に販売するときに、アンバンドリング・ポリシーと称したことから、分割販売において使われるようになりました。

 

【ビジネスモデルの根幹】

このビジネスモデルの根幹には、「 購入への障壁除去」と「カスタマイズ」があります。

一体での販売では購入をためらっていた顧客も、自分の必要とする部分だけ購入できるのであれば購入して頂ける可能性が高まります。

顧客は自分の必要な部分のみを組み合わせて購入することができますので、個々のニーズに応じてカスタマイズした商品を提供できるようになります。

また一般的にこれまで一体で提供されていた商品の市場に新たに参入する企業が採用するビジネスモデルであることから「後だしジャンケン」も根幹にあります。

 

【応用例】

 音楽CDの1曲ごとのダウンロードでの販売が典型例です。アルバム丸ごとではなく気に入った曲だけ買うことで、顧客は出費を最低限にすることができます。企業としても気に入った数曲のためにアルバム丸ごとを買うことを躊躇していた顧客を取り込むこむことができるようになります。

またカットサービスだけ提供し、シャンプーや顔そりを行わないQBハウスのような散髪業態もアンバンドリングの一種と考えられます。LCCも機内食を提供せず、サービスを限定していることからアンバンドリングと言えます。これらの業態では、提供をやめたサービスに不可欠であった設備投資を省くことができますので、コストが削減できたりスペースを有効活用できるようになります。

ファミリーレストランやファーストフードでも、顧客がセットメニューの内容をチョイスできるサービスがあります。


【問題点】

当然、 顧客に選択されない部分がもたらしていた売上は減少するとになります。その減少分を補えるほどの顧客の増加が見込めないと、このビジネスモデルの採用は難しくなります。

 もし自社が一体で商品を提供している場合、既にそのための設備投資を行っていますのでアンバンドリングを採用しにくいと言えます。もし新たな参入者がアンバンドリグを採用してきたならば、対応策として一体で購入することのメリットを見出し顧客に訴える必要があります。あるいは既に行った設備投資はサンクコストとして扱い、自社もアンバンドリングを採用する対応も考慮する必要があります。