マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

参入障壁

参入障壁

 

参入障壁とは、ある企業が新たな市場に参入するときに障害となる事柄です。一方、既にその市場に参入している企業にとっては、負担する必要のない事柄です。新規に参入を検討している企業は、参入障壁を回避する方法を立案しないと市場に参入できません。

 

参入障壁となり得る事柄に以下のものがあります。

①費用

市場に参入するにあたり、大規模な設備投資が必要になる場合には最初に多大な費用を負担しなければなりません。電力、鉄道などの業界が代表例です。薬品の市場などでは研究開発に相当な時間と費用を要します。また規模の経済が働く業界では、参入当初から大量生産を行わなければならず、相当の費用が必要となります。

また新規に参入する場合、多額の広告宣伝費を要することがあります。これも参入障壁の一例です。

 

②時間

研究開発が前提となる業界や政府の許認可を必要とするような業界への参入には時間を要します。また既存の企業には生産の経験の蓄積により経験曲線が働きますが、新たに参入する企業は、生産の経験がないために経験曲線効果が働きません。経験曲線効果を得るには相応の時間が必要となります。

 

③法規制

法律や規制により特定市場への参入が制限されている場合があります。電力・ガス・水道等の公共事業、運輸業、金融業などの業界です。

 

④既存企業の結託

特許を相互利用するパテントプールを作り互いの特許を利用し合う場合、そのパテントプールに参加していないと市場への参入は非常に困難になります。またメーカーによる卸売業や小売業等の流通チャネルへの統制が強い場合、新たに参入する企業は既存の流通チャネルが使えず、自ら流通チャネルを構築しなければなりません。

 

⑤顧客の商品への愛着度

既存企業が、企業イメージや商品ブランドなどで市場内の顧客の心理に特別な地位を築いている場合、これが参入障壁となります。企業イメージや商品ブランドだけでなく、アフターサービスの体制、支払い条件、商品の機能やデザインなども参入障壁となり得ます。