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データ・情報資産の利活用

データ・情報資産の利活用

 

データベースなどに保存されているデータの中から、重複や誤記、表記の揺れなどを探し出し、削除や修正、正規化などを行ってデータの質を高めることを、データクレンジングと言います。データ・情報資産の利活用には、データクレンジングが重要になってくるのですが、中小企業の取組の状況はどうなっているのでしょうか。

 

 

セールスマーケティングにおいてもサプライチェーンにおいても、データクレンジングが「できている」企業は2割に届きません。但し、それぞれ「できていないが、今後改善していきたい」と答えている企業が4割以上存在しますので、今後に期待したいところです。

データクレンジングを行うことで、データをグラフやチャートで表現することが可能になり、その特徴を視覚的に把握すること、つまりデータの見える化が実現できます。

次のグラフはデータの見える化の有無について調べた結果です。

 

セールスマーケティングにおいてもサプライチェーンにおいても、「データクレンジングはできている」企業の方が「見える化している」割合が高くなっています。どちらの分野でも「見える化している」割合がほぼ同じとなっているのが興味深いところです。

データクレンジングやデータの見える化により、データ利活用の効果がどの程度実感できているかを調べたのは下のグラフです。

 

 

データクレンジングと見える化の両方を実施している企業がデータ利活用の「効果が出た」と答えている割合は8割を超えています。これはセールスマーケティングでもサプライチェーンでも同じ結果となっています。データクレンジングだけか、見える化だけか、どちらかを行っている企業の「効果が出た」割合は同程度となっていますが、両方を行っている割合よりも1割強も低いため、できれば両方を行ったほうがより効果が実感できることが分かります。

最後のグラフはデータ分析における課題を、確認したものです。

 

いずれのデータ利活用の段階でも「データを分析する人材の不足」が最も高い割合です。DB化している企業においては、「特になし」の割合も高くなっています。このことから、人材不足の課題が解決されれば、データの利活用も更に進むと思われます。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)

 

2022年版中小企業白書からのデータの紹介はここまでとなります。

白書では、本ブログで取り上げたテーマ以外にも多くのテーマが紹介されています。また事例も豊富に掲載されていますので、参考になるかと思います。

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