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設備投資の動向

設備投資の動向

 

日本のGDPの15%を占める民間企業設備投資の状況を確認します。

 

               設備投資額の推移

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2009年の急激な落ち込みはリーマンショックによるものです。リーマンショック以降、上昇傾向にありますが、まだ以前の水準までには回復していません。

 

次のグラフは企業の業況判断と設備投資の過不足感を表しています。

 

         業況・設備投資DI(製造業・全規模)

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リーマンショック以後、設備投資の意欲が回復していますが、2019年以降業況判断が落ち込み、それに伴い設備投資に過剰感が生じています。

 

では、その設備投資がどれだけ企業の収益に貢献しているのでしょうか。

 

        資産の収益性(ROA)と設備投資の推移

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従来、資産の収益性と設備投資の動きは連動していました。ところが2006年以降、連動性が崩れ、両者の差が広がる傾向にあります。2020年版ものづくり白書では、資産が生み出す利益が増加し、新規に設備投資するポテンシャルが年々高まっているものの、実際の設備投資の伸びは低調である、と分析しています。

 

そこで設備投資の導入からの経過年数を見てみます。

 

         設備投資導入からの経過年数(2018年調査)

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上記のアンケート調査では、金属工作機械、第二次金属加工機械、鋳造装置においては、50~80%の設備が導入から15年以上経過しています。既存設備の老朽化が起きていることが読み取れます。

今後の生産活動への影響が懸念されます。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)