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収益性分析(6)-売上高総利益率

売上高総利益率

どれくらい売上総利益を稼ぐことができたか。

 

【計算式】

売上高総利益率は、下記の式で求めます。

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【評価】

売上高総利益は、売上高から総費用を差し引いた利益です。従って、この売上高総利益率が高ければ、商品の競争力が高いため高価格で販売できている、あるいは購買管理や生産管理がうまく機能しており効率的な生産活動が行われていることを意味します。

売上高総利益率は高いことが望ましいのですが、業種や取り扱い商品によりそのレベルは異なってきます。サービス業は総じて仕入れ品が少ないため売上高総利益率が高く、小売業では仕入れ品が多いため売上高総利益率は低くなります。

同業他社や業界平均と比べることで客観的な評価が行えます。

 

【改善策】

売上高総利益率が低い場合、売上高を上げるか総費用を下げる必要があります。

売上高を上げる場合、商品力の見直しが必要となります。製造業であれば独創的な商品が開発できているか、小売業であれば顧客に魅力的な品揃えができているか。また販売力を強化して顧客数を増やす取り組みも必要です。

総費用を下げる場合、石油や鉄や銅のような市況品のように市場価格や為替の影響を受ける費用と自社の購買や生産の能力でコントロールできる費用とを分けて検討する必要があります。自社の能力でコントロールできない資材の場合、常に市況の状況を把握し柔軟に仕入れルートを変更できるような準備が求められます。自社の能力でコントロール可能であれば、仕入ルートの変更、発注量や支払い条件等の契約内容の見直しを行います。

しかし、仕入れ原価を下げればよい、という訳でもありません。闇雲に仕入れ原価を下げてしまうと、売上高の減少を招くこともあります。食材の仕入れ価格を下げたため、料理の質が落ちて顧客離れを引き起こす飲食店がその例です。

また商品構成を見直すことも必要です。単に売れ筋、死に筋だけで管理するのではなく、商品ごとに粗利益が異なりますので、粗利益が大きい商品の売れ行きを時系列で管理する必要があります。