一貫性の原理
人は自分の言動に一貫性を保とうとする。
【解説】
一度、行った言動に反する言動は取りにくいものです。自分を否定するようですし、他人の目を気にしてしまうことも原因としてあります。相手に「前と言っていたことが違う」と受け取られれば、信用をなくしてしまいます。
また自分の行動に一定のルールを作っておけば、都度都度、意思決定を行う手間を省くことができます。
【信憑性】
この原理を応用した交渉術に、ローボールテクニックやフット・イン・ザ・ドアなどがあります。ローボールテクニックは、最初、受け入れやすい条件を提示して後から追加の条件を提示していくことで、当初相手が想定していなかった不利な条件まで呑ませようという交渉術です。またフット・イン・ザ・ドアは、小さなレベルの要求から初めて合意を取り、徐々に要求のレベルを上げていく手法です。どちらも詐欺師の手口にも用いられており、非常に強力な交渉術です。
一貫性の原理は、利用の仕方によっては危険な心理作用です。
【適用例】
ローボールテクニックやフット・イン・ザ・ドアのような交渉術以外で一貫性の原理が活かせる場面を考えてみましょう。
朝礼の時に仕事や接客の心構えを復唱させることで、従業員の意識を心構えを守るように向けさせることができます。復唱することにより自分の言葉を遵守しなければいけない、という意識が芽生えるのです。
また新しい事業年度が始まった際に、その期の自分の目標を発表させることで目標達成に向けて努力していく下地を作ることもできます。
もしダイエットや資格取得の勉強を始めるのであれば、周囲の人に宣言すると良いでしょう。宣言したからには実行しなければならない。目標達成に向けて継続していくモチベーションを持つことができるでしょう。