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収益性分析(10)-売上高売上原価率

売上高売上原価率

売上高に対する売上原価の割合。

 

【計算式】

売上高売上原価率は、以下の式で求めます。

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 【評価】

 この指標は低ければ低いほど、売上総利益が多くなりますので好ましい状態と言えます。但し、業種・業態により傾向が変わります。サービス業では商品を仕入れて販売する業態ではないため売上原価が少なく売上高売上原価率は低くなります。一方、製造業では製造原価が多く必要となるため、売上高売上原価率は高くなります。

但し、会計処理で期末製品棚卸高に当期の製造原価を多く回して売上原価を少なく計上し、売上高売上原価率を低く見せかけることができますので、他社との比較の場合、注意が必要です。

尚、売上高売上原価率は売上高総利益率と裏腹の関係にあり、両比率を合計すると100%になります。 

 

【改善策】

この比率が同業他社よりも高かったり、前年比で上昇していれば売上原価の見直しが必要となります。

まず適正な原価計算のために、実際原価計算と標準原価計算の差異分析を行います。実際原価計算は、製品を製造するのに費やした原価であり、事後的に把握します。標準原価計算は、製品の製造前に設定した標準的な原価です。実際原価計算と標準原価計算を比較検討し、その差異が利益にプラスになるのであれば有利差異、利益にマイナスになあるのでれば不利差異となります。

いずれの差異が生じてもその原因を特定することが必要です。有利差異の原因によっては標準原価の算出方法を見直す必要があります。不利差異の原因が特定できれば、改善策を立案し適正な原価で製造活動を行えるように是正します。