マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

収益性分析(12)ー売上高金融費用比率

売上高金融費用比率

 売上高に占める金融費用の割合

 

【計算式】

売上高金融費用比率は、以下の式で求めます。

f:id:utann:20201107212607j:plain

 

【評価】

 金融費用は、支払利息、割引料、手形売却損を合計した費用です。この指標は低いことが望ましいのですが、積極的な投資を行って借入金が増えた場合、支払利息が増えて指標の値が高くなることもあります。従ってP/LだけでなくB/Sの内容も見なければ、良否の判断はできません。

支払利息だけで計算した場合は、売上高支払利息率と呼び、下記の計算式となります。

f:id:utann:20201114160007j:plain

 

また支払利息から受取利息と受取配当金をマイナスした場合、売上高純金利負担率と呼びます。この比率がマイナスの場合は、支払利息よりも受取利息、受取配当金が多いことを意味し、金融黒字の状態です。

f:id:utann:20201114160217j:plain

 製造業の場合、売上高純金利負担率が3%以内ならば健全、3%超5%以内ならば要注意、5%超7%以内ならば危険、7%を超えると倒産の懸念アリと言われています。

 従って売上高純金利負担率は、安全性を表す指標でもあります。

 

【改善策】

支払利息を減らすには借入金を返済しなければなりません。B/Sの内容を分析し、遊休資産があれば売却して借入金返済の原資とします。積極的な投資が計画通りの成果を上げていないのであれば、経営戦略から見直す必要があります。