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変動費極少化

変動費極少化

 

費用は固定費と変動費に分けることができます。これを固変分解といいます。

固定費は労務費や通信費、光熱費などであり、生産量に関わらず一定額が発生する費用です。規模の経済や範囲の経済によって、製品一つ当たりの固定費を分散させることができます。

変動費は生産活動に伴って発生する費用であり、代表例は材料費です。まったく生産活動を行わなければ変動費はゼロですが、通常は営業量に比例して増加していきます。従って、目標とする利益をもたらす売上高を求めるには、変動費を一定率である変動費率として認識します。

固定費と変動費を合わせたものが総費用であり、売上高と合致するポイントが損益分岐点売上高です。損益分岐点売上高より営業量が少なければ総費用が売上高を上回り損失が発生します。逆に損益分岐売上高より営業量が多ければ売上高が総費用を上回り利益が発生します。

 

下図は、固定費と変動費が存在する損益分岐点を示した図です。

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縦軸に売上高・費用・利益を取り、横軸に営業量を取ります。営業量は全社で検討する場合は売上高や販売量、工場を対象にするならば生産量となります。

 

費用を削減すれば、同じ売上高でも利益が増加します。固定費は一定額発生しますので、変動費率を低く出来れば同じ売上でも利益が増加します。

仮に変動費をゼロとすれば、損益分岐点を超える生産量であれば売上の増加分がそのまま利益の増加となります。

下図は変動費を削減した損益分岐点を示す図です。損益分岐点以後の生産量が大きく増えています。

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では変動費をゼロにする生産活動は可能なのでしょうか。

 

さすがにゼロにするのは困難だと思われますが、生産量が増えてもさほど変動費が増加しない業種は存在します。

音楽やゲームなどのデジタルコンテンツを販売するWebサービスであれば、利用者が増えても変動費はさほど増えません。すでに存在するコンテンツを配信するだけですので、利用者が増えれば増えるほど利益が増加していくことになります。

 

Webサービスはともかく、利益増加に大きなインパクトを持つ変動費の極少化ができないか考えてみましょう。