中小企業・小規模事業者のカーボンニュートラル
2023年2月10日に「GX実現に向けた基本方針」が、閣議決定されました。
GXとは、Green Ttansformation(グリーントランスフォーメーション)の略です。化石燃料から温室効果ガスを発生させないクリーンエネルギー(太陽光発電、風力発電等)中心のエネルギー源に転換することで、社会経済そのものを変革しようとする取り組みです。
「GX実現に向けた基本方針」では、中小企業が我が国の温室効果ガスの排出量の約2割を占めること、及びサプライチェーンを維持・強化する観点から、中小企業・小規模企業であってもカーボンニュートラルを進めていく必要があることが記されています。
では中小企業・小規模事業者のカーボンニュートラルへの取り組みの実態は、どうなっているのでしょうか。
まず中小企業・小規模事業者がカーボンニュートラルをどのように認識しているのか、を確認します。
「優先順位は高い」と「優先順位はやや高い」が増えていることから、2020年から2022年までの3年間でのカーボンニュートラルの事業方針上の優先度が上がってきていることが分かります。
2022年では、「優先順位は高い」と「優先順位はやや高い」を合わせると、4割を超えることから、その優先度が浸透してきています。
実際の取組状況を確認したのが次のデータです。
ここでは0から5までの6段階でカーボンニュートラルへの取組を確認しています。
最も多いのは「段階1:気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している」となっています。しかし、段階2以上となると約2割程度となり、優先度は高いながらも実際の取組となるとあまり進んでいない実態が見えてきます。まずは「段階2:事業所全体で年間CO2排出量(Scope1,2)を把握している」ところから始める必要があります。
その取組段階別に業績や企業ブランド価値への効果を確認したのが次のデータです。
取組段階が進んでいる企業ほど「既存の取引先との完成性の維持」や「企業価値(ブランド)の向上」が高い結果となっています。企業価値が向上することで、GXに専門的なスキルを持った人材の確保や環境問題に意識の高い求職者から好意的に評価される可能性が高まります。
(図表は2023年版中小企業白書より引用)