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成長企業の経営資源の分析

成長企業の経営資源の分析

 

前回に続いて戦略策定における分析の詳細です。ターゲット市場に関して確認致しましたので、今回は自社の経営資源に関して分析の詳細を見ていきます。

まず経営戦略を実行した際の経営資源の強みがどのようなものであったのか、の確認です。

 

「顧客からの評価に結び付き、他社が保有しておらず、他社がまねもできない」の9.5%と「顧客からの評価に結び付き、他社が保有していない」の23.2%を合わせると32.7%となります。約3分の1の企業が他社が保有していない強みを活用していることが分かります。

一方、「顧客からの評価に結び付いている」が67.3%となっています。しかし、他社も保有している強みです。経営戦略の実施時に活用した経営資源を他社が保有しているのか、保有していないのかにより売上高に差はあるのでしょうか。

 

経営戦略の実行時に他社が保有していない経営資源を活用した企業の売上高増加率は35.0%です。他社も保有している経営資源を活用した企業の売上高増加率は34.0%ですので、他社が保有していない経営資源を活用した企業の方が売上高増加率がやや高いことが確認できます。

次のデータは、経営戦略を実施する際に活用した経営資源が他社が保有していないか、保有しているか別に顧客、顧客への提供価値、顧客への価値の提供方法を明確にしたか、明確にしなかっかを調べたものです。

 

経営戦略の実施時に活用した経営資源を他社も保有しているか、保有していなかいかに関わらず、「顧客、顧客への提供価値、顧客への価値の提供方法を明確にした」ほうが売上高増加率が高くなっています。特に経営資源が顧客からの評価に結び付いていれば、その経営資源を他社が保有していても「顧客、顧客への提供価値、顧客への価値の提供方法を明確にした」のであれば、明確にしなかったよりも10%(35.0%-25.0%)も売上高増加率が高くなることが分かります。

 

(図表は2023年版中小企業白書より引用)