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成長企業の経営戦略

成長企業の経営戦略

 

日本経済や地域の発展のためには、日本の企業の99.7%を占める中小企業の成長が不可欠です。感染症の流行や円安などの環境変化が発生しているにも関わらず、成長している中小企業は存在します。2023年版中小企業白書では、2020年~2021年の売上高が2期連続で増収しているなどの企業を成長企業と定義づけて分析しています。

 

まず白書が着目しているのが、経営戦略の有無です。

 

直近10年間の中小企業における戦略策定の状況です。71.4%もの企業が経営戦略を策定した、と回答しています。

 

経営戦略を策定するにあたり、策定のベースとなるものは幾つか在あります。その中でもターゲット市場と自社の経営資源をベースに戦略を策定することが多いと思われます。次のデータは成長している中小企業に経営戦略の策定にあたり何をベースにしたのかを調べたものです。

 

「ターゲットとする市場の分析を起点とした」が36.0%、「自社の経営資源を起点とした」が58.1%でした。半分以上の企業が自社の経営資源を起点としているのは、経営資源に乏しい中小企業ならではの結果かと思います。

経営戦略を策定するには、まずは自社の経営資源の棚卸を行う必要があります。

これはターゲット市場と起点として経営戦略を策定した企業にも当てはまりそうです。

 

 

ターゲット市場の分析を起点に経営戦略を策定した企業でも自社の経営資源の分析を「十分に行った」企業と「ある程度行った」企業を合わせると9割以上にもなります。

 

では自社の経営資源を起点として経営戦略を策定した企業は、どれくらいターゲット市場を分析したのでしょうか。

 

 

自社の経営資源を起点として経営戦略を策定した企業であってもターゲット市場の分析を「十分に行った」企業と「ある程度行った」企業を合わせると8割以上になります。

ターゲット市場と自社の経営資源のどちらを経営戦略策定の起点にしても、経営資源のとターゲット市場の分析は行っていることが分かりました。

ところでターゲット市場を分析して、その結果から何を導いたのでしょうか。

次のデータで確認したいと思います。

 

「ターゲットとする顧客を具体的にイメージした」、「ターゲットとする顧客に届ける価値を明確にした」、「ターゲットとする顧客に対してどのように価値を届けるかを明確にした」のいずれも「十分に行った」と「ある程度行った」を合わせると、9割前後となっています。

「誰に」「何を」「どのように」届けるのか。

この結果から、ターゲット市場の分析の目的が見えてきます。

 

(図表は2023年版中小企業白書より引用)