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コア技術への理解

コア技術への理解

 

イノベーション活動は、自社の強みを軸に進められることが多いでしょう。

そのためには、まず自社のコア技術を認識する必要があります。

 

自社のコア技術の認識状況別にイノベーションの事業化状況を見ますと、「自社のコア技術の強みを認識している」企業ほどイノベーションの事業化に成功しており、33.0%の企業は利益増加につながっています。

「自社のコア技術の強みはない・保有していない」企業もまずは技術の棚卸を行い、自社のコア技術に関して見つめ直してほしいと思います。

 

またコア技術はあっても市場のニーズに適合していなければ、イノベーション活動を進めても利益に繋がりません。次のデータは、新たな市場ニーズの探索状況別に見たイノベーションの事業化状況です。

 

 

新たな市場ニーズの探索に「取り組んでいる」企業は、「取り組んでいない」企業の2倍ほどの割合で「事業化して、利益増加につながった」と回答しています。自社のコア技術だけではなく、市場ニーズを把握してこそ事業化に至り利益増加となることが伺えます。

 

コア技術があり、マーケットのニーズを把握したから言って、イノベーションが成功するとは限りません。コア技術とニーズとをマッチングさせるには戦略やその戦略を構想する人材が必要となります。次のデータでは、コア技術・ノウハウをマーケットニーズとのギャップを埋め合わせ、戦略を構想・実現する人材からの支援があった場合、新製品・サービスの事業化につながると思うか否かを確認しています。

 

 

売上高比研究開発費別に、コア技術・ノウハウとマーケットニーズをつなぐ人材の重要性を見ています。売上高に対する研究開発費の比率が高い企業ほど、自社のコア技術・ノウハウとマーケットのニーズとのギャップを埋め合わせる人材の重要性を認識しています。

市場のニーズがあり、それに適合するコア技術・ノウハウがあり、そして戦略を立案・実行できる人材がいてこそイノベーションが実現し利益が増加することが確認できました。

 

(図表は2023年版中小企業白書より引用)