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ものづくり企業の経営課題

ものづくり企業の経営課題

 

ものづくり企業の経営課題を確認しましょう。

次のグラフは、大企業と中小企業に分けた経営課題です。

 

        ものづくり企業の経営課題(企業規模別)

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大企業では「競争の激化」が43.0%、「人手不足」が41.9%、「人材育成・能力開発が進まない」が40.39%と続きます。対して中小企業は「人材育成・能力開発が進まない」が42.8%と最も高く、次に「人手不足」42.2%、「原材料費や経費の増大」が32.1%と続きます。企業規模の大小に関わらず、人材育成・能力開発が経営課題であることが分かります。

では人材育成・能力開発を実施すれば、どのような効果が現れるのでしょうか。

それを労働生産性の観点から調べたのが次のグラフです。

 

    人材育成・能力開発の取り組みと3年前と比較した自社の労働生産性

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3年前と比較して、デジタル技術を活用した企業(56.8%)も未活用の企業(42.2%)も労働生産性が「向上した」と回答しています。特にデジタル技術を活用した企業ほど、人材育成・能力開発の効果が表れているようです。

 

次のグラフは企業規模別に事業環境・市場環境をどのように認識しているかの調査結果です。

 

        事業環境・市場環境の状況認識(企業規模別)

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大企業・中小企業ともに「より顧客のニーズに対応した製品が求められている」「製品の品質をめぐる競争が激しくなっている」「原材料コストやエネルギーコストが大きくなっている」が上位に来ています。

「技術革新のスピードが速まっている」「海外との競争の激しさが増している」では大企業のほうが中小企業よりの高い値を示しています。「技術革新のスピードが速まっている」では大企業が70.1%であるのに対して中小企業は52.3%、「海外との競争の激しさが増している」では大企業が58.8%であるのに対して中小企業は39.8%です。

一方、「税や社会保険料負担の経営への負担が大きくなっている」と「同業他社の廃業が増えている」では大企業よりも中小企業のほうが高い値です。「税や社会保険料負担の経営への負担が大きくなっている」では中小企業が53.7%であるのに対して大企業が36.4%、「同業他社の廃業が増えている」では中小企業が29.0%であるのに対して大企業は8.2%となっています。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)