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デジタル技術の活用の状況とものづくり現場への影響

デジタル技術の活用の状況とものづくり現場への影響

 

 前回の統計データでは効率化を目指す今後の取り組みとして、「製造・生産等へのICTなどデジタル技術の積極的な活用」が36.5%と高くなっていました。しかし、この項目はこれまでの実際の取り組みでは10.2%と1割程度の企業しかありません。

では、今までデジタル技術をどのように活用していたのでしょうか。

 

  ものづくり活動・工程におけるデジタル技術の活用状況(規模別、工程・活動別)

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 大企業では、「製造」35.1%、「生産管理」31.3%、「受・発注管理」30.6%、「設計・開発」27.5%の順となっています。

中小企業では、「受・発注管理」27.0%、、「生産管理」24.0%、「取引先とのネットワーク」22.2%、「製造」21.6%となっています。

企業規模における差としては、「製造」で13.5ポイント、「設備間のネットワーク化」で13.1ポイント、大企業が中小企業よりも高い数値となっています。

大企業の方が製造現場のデジタル化が進んでいる様子が伺えます。

 

次は業種別に見たデジタル化の進展状況です。

 

    ものづくり活動・工程におけるデジタル技術の活用状況(業種別)

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 54.6%から44.1%までやや開きはあるものの、どの業種でも約半数の企業でデジタル技術が使われていることが読み取れます。

 

デジタル技術活用の理由についても確認しておきましょう。

 

           デジタル技術の活用理由(複数回答)

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 すると「人の作業負担の軽減」が58.8%と最も高く、「生産態勢の安定」が52.1%、「労働時間の短縮」が46.5%となってます。どちらかというとコスト削減の目的でデジタル技術が活用されており、高付加価値化にまでは至っていないようです。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)