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ものづくり中小企業の人材開発への取り組み

ものづくり中小企業の人材開発への取り組み

 

2020年版ものづくり白書からの最後のデータは、ものづくり中小企業の人材開発への取り組みです。

まずものづくり人材の育成・能力開発の方針を確認します。

 

           ものづくり人材の育成・能力開発方針

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既にデジタル技術を活用している企業では、「当面の仕事に必要な能力だけでなく、その能力をもう一段アップできるよう能力開発を行っている」が36.8%と最も高い値です。これに対してデジタル技術未活用の企業では、「個々の従業員が当面の仕事をこなすために必要な能力を身につけることを目的に能力開発を行っている」が38.0%と最も高い値です。また「人材育成・能力開発について特に方針を定めていない」との回答も19.9%となっています。

 

実際にどんな人材育成・能力開発を行っているのでしょうか。

次の2枚のグラフは、取り組みの内容を回答したデータと既にデジタル技術を活用している企業と未活用の企業の回答の差を表したデータです。

  

        デジタル技術を活用する企業の人材育成・能力開発の取組

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既にデジタル技術を活用している企業も未活用の企業も共に「日常業務の中で上司や先輩が指導する」「作業標準書や作業手順書の活用」「仕事の内容を吟味して、やさしい仕事から難しい仕事へと経験させる」「業務時間内にベテランが伝承すべき技能・技術について指導・訓練する」が高い値を示しています。自社内での取り組みが主な内容になっています。

回答の差を見ると、全ての取り組みで既にデジタル技術を活用している企業のほうが高くなっています。特に「OFF-JTを実施している」が」10.2ポイント、「作業標準書や作業手順書の活用」が9.9ポイント、「自己啓発活動を支援している」が8.4ポイント、「会社の理念や創業者の考え方を理解させる」が8.3ポイントほど上回っています。

既にデジタル技術を活用している企業は、OFF-JTや自己啓発など職場を離れた取り組みにも注力している様子が伺えます。

 

これまで2020年ものづくり白書から、ものづくり企業に参考になるデータを紹介してきました。

ご参考になれば幸いです。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)

 

尚、本ブログで紹介した統計データは下記のHPにオリジナルがあります。

ご関心をお持ち頂けた方は、ぜひ2020年版ものづくり白書をご一読下さい。

www.meti.go.jp