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中小企業のオープンイノベーションへの取り組み(2)

中小企業のオープンイノベーションへの取り組み(2)

 

まだまだ緒についたばかりのオープンイノベーションですが、実際にどんな相手と連携しているのでしょうか。

 

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最も多いのが「同業種の国内中小企業」であり47.3%と半分近い値です。次に「異業種の国内中小企業」30.4%、「同業種の大企業」23.0%と続きます。中小企業同士の連携が多くなっています。「大学」が18.6%、「公設試験研究機関」が6.0%となっておりますが、製造業だけで集計すれば違った傾向が見られたかもしれません。

オープンイノベーションを成功させるためには、何が重要なのでしょうか。

次のグラフで確認しましょう。 

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製造業、非製造業ともに「連携企業との事前の信頼関係」との回答が最も多く約8割に相当します。次に「明確なゴールの設定と共有」が約5割、「自社・連携先の意思決定スピードの速さ」が4割弱となっています。

やはり連携ですので、その基礎には信頼関係がないと成立しない様です。

 一方、オープンイノベーションに取り組んでいない企業も存在します。

なぜそれらの企業はオープンイノベーションに取り組んでいないのでしょうか。 

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「特になし」を除くと製造業、表示共に「社内の人員がいない」が最も多く、次に「社内に他社が活用できる技術やノウハウがない」と続きます。内部経営資源の不足が外部地の連携を阻害しているようです。製造業では「自社の技術やノウハウの流出の可能性がある」が21.5%もあり、信頼関係が築けていないと連携が困難なのがここでも読み取れます。

先のグラフでは「外部の連携先・仲介先が見つからない」「外部の連携候補先はいるが、コネクションがない」という回答もあります。

オープンイノベーションに取り組んでいる企業は、どんな仲介者によってオープンイノベーションを始めたのでしょうか。

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 上位3位まで「同業種の国内中小企業」「異業種の国内中小企業」「同業種の国内大企業」とオープンイノベーションを取り組んでいる連携先と同じとなりました。

オープンイノベーションを始めることにより、更にオープンイノベーションが広がっていくことを期待したいです。

 

(図表は2020年度版中小企業白書より引用)