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感染症流行前後のデジタル化に向けた取り組みの変化

感染症流行前後のデジタル化に向けた取り組みの変化

 

 前回に引き続いてデジタル化の動向です。

次のグラフは、業種別に感染症の流行に伴うデジタル化の取り組みで最も重要度が上がった項目を調べたものです。全産業でみると「経営判断や業務プロセスの効率化・固定費の削減」が49.8%と約半数となっています。ちなみに半数を超えている業種は「建設業」、「運輸業、郵便業」、「卸売業」です。

「新たな事業や製品、サービスの創出と改善」が高い業種は消費者がメインターゲツトとなる「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」でした。

「サプラチェーンの最適化、生産プロセスの改善」が最も高い業種は「製造業」です。

「情報セキュリティ対策の強化・法規制のクリア」が最も高い業種は「学術研究、専門・技術サービス業」です。

業種による特徴が現れた結果ではないでしょうか。

 

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 次のグラフは取引先の属性からBtoBとBtoCに分けて、感染症流行前後で取り組んだITツール、システムを活用した働き方改革の取り組みのデータです。

感染症流行後の取り組みとしては最も増えたのは「Web会議」であり、BtoBで45.4%pt、BtoCで41.7%ptの増加となっています。「テレワーク、リモート勤務」もBtoBで34.8%pt、 BtoCで23.6%ptの増加となっています。三密対策に該当する取り組みであることから、感染症流行後に顕著に増えたのかと思われます。

一方、「文書の電子化」や「社内の電子決済」は、あまり取り組みが増えていないようです。これらは感染症流行前からある程度取り組まれていたこともあり、感染症流行後であっても増えなかったようです。

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 更に次のグラフでは、顧客属性別に感染症流行前後に取り組んだITツール・システムを利用した販売促進活動のデータです。

 BtoBでは「オンラインでの商談・営業」が36.8%ptと大幅に増加しています。同項目はBtoCでは24.8%ptの増加であり、顧客属性による販売促進活動の違いはあるにしても三密対策として対面での販売促進を減らそうとしている姿勢が見て取れます。

BtoB、BtoC共に「自社HPの活用」や「SNSの利用」が減少しています。

 

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 次回は、どのようなITツール、システムが導入されているのかをご紹介いたします。

 

 (図表は2021年版中小企業白書より引用)