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中小企業の人材戦略

中小企業の人材戦略

 

環境変化をとらえた経営戦略と戦略実行を牽引する経営者がいても、企業が成長できるわけではありません。実際に戦略を実行する人材がいてこそ、企業は成長できるのです。

そのためには経営戦略と人材戦略が連動していることが不可欠となります。

そもそもどのくらいの企業が人材戦略を策定しているのでしょうか。

 

直近10年間の人材戦略を策定してる企業の割合です。これによると「策定した」と回答した企業は約6割となっています。

人材戦略では、企業に必要な人材を規定します。つまり人材戦略の有無は、採用活動にも影響を与えます。

 

 

上記のグラフは、人材戦略の策定の有無による従業員増加率の違いを確認したものです。「策定した」企業の従業員増加率は15.0%であり、「策定しなかった」企業の9.0%の約1.7倍となっています。採用においても人材戦略の有無が大きな影響を与えていることが確認できました。

その人材戦略ですが、経営戦略との関係はどのようになっているのでしょうか。

 

経営戦略と人材戦略の紐づけの状況を確認すると、「大いに考えた」企業が41.1%、「ある程度考えた」企業が51.2%となっています。合わせると9割以上の企業が経営戦略と人材戦略の紐づけを意識していることが分かります。

経営戦略と人材戦略が紐づけされた企業では、売上高はどのように変化しているのでしょうか。

 

経営戦略と人材戦略と「紐づけた」企業での売上高増加率は36.0%です。

一方、「紐づけなかった」企業の売上高増加率は26.5%です。

経営戦略を人材戦略を紐づけることで、採用も増加し、売上高も増加しています。

人材戦略の重要性が示されたデータです。

 

(図表は2023年版中小企業白書より引用)