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経営戦略の見直し

経営戦略の見直し

 

事業領域を見直せば、経営戦略を見直す必要も生じます。

では中小企業はどれくらいの頻度で経営戦略を見直しているのでしょうか。

 

 

6割以上の企業が「少なくとも年に1回は見直しを行っている」と回答しています。しかし、経営戦略自体を「策定・見直ししていない」企業も24.4%存在しています。

経営戦略は環境変化に応じて見直す必要があり、頻繁に見直せば良い、というわけではありませんが、そもそも策定してない、策定しても見直していない、となれば経営戦略の意義を再考する必要がありそうです。

その辺りを労働生産性の水準で見てみましょう。

 

「すくなくとも年に1回は見直している」企業と「毎年の見直しは行っていないが、定期的に見直している」企業との労働生産性の水準には大きな差はありません。しかし、「毎年の見直しは行っていないが、定期的に見直している」企業と「策定・見直ししていない」企業との間では、1割程度差があります。

その経営戦略ですが、策定しても組織に浸透していなければ本来の機能を発揮しません。下のグラフは経営戦略がどの程度、組織に浸透しているか調べたものです。

 

「全社的に浸透している」企業が20.0%に対して、「浸透していない」企業が20.6%と同程度存在しています。

集団における「2:6:2の法則」を思い出させます。「2:6:2の法則」とは、集団では上位の優れた人材が2割に対して、中位の平均的な人材が6割、下位の劣位の人材が2割存在するという法則です。

経営戦略の浸透度ですが、労働生産性の水準にはどのような影響があるのでしょうか。

 

やはり経営戦略の浸透度が高いほど労働生産性も高い結果となっています。「全社的に浸透している」企業の労働生産性が7,403千円/人ですが、「浸透してない」企業の労働生産性は6,356千円/人です。その差は1,047千円/人と大きな差になっています。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)