日本の雇用状況と製造業
安倍政権では雇用環境の改善を成果の一つとして謳っていました。
そこで日本の雇用状況を確認してみます。
完全失業率は下降を続け、2019年には2.4%と前年に続いて3%を下回りました。有効求人倍率は、2018年4月から2019年6月まで1.6倍を超えています。2020年1月に求人票の記載項目の拡充があったため一時的に求人数が減り有効求人倍率も低下しました。今後は新型コロナの影響が出てくるため、完全失業率、有効求人倍率ともに重要な指標となります。
ちなみに12月25日に発表された完全失業率は2.9%と上昇し、有効求人倍率は1.06倍と減少しています。
次のグラフは、生産活動の動向を示す所定外労働時間の推移です。
製造業の所定外労働時間の動向
2016年半場以降、生産活動が回復し2017年には所定外労働時間が増加に転じました。2018年後半以降は、働き方改革の進展もあり所定外労働時間は減少しています。所定外労働時間に関しては、新型コロナの影響により更に減少するかと思われます。
次のグラフは製造業における月々の賃金の動向です。
製造業の所得環境の動向(現金給与総額)
所定内給与が2017年11月以降27か月連続で前年同月以上となっています。
一方、所定外給与は所定外労働時間の減少もあり、2018年12月以降14か月連続で前年同月を下回っています。
(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)