マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

製造業における人材確保

製造業における人材確保

 

 2020年度版ものづくり白書では、モノづくり人材の確保と育成に1章を割いて詳細に論じています。 

 まずは前提として製造業における就業者数の確認です。

 

              製造業就業者数推移

f:id:utann:20201022170951j:plain

 製造業の就業者数は2002年の1,202万人から2019年には1,063万人まで減少しています。全就業者に占める割合も2002年の19.0%から15.8%にまで減少しています。

就業者の中でも若年者に焦点を当てたのが次のグラフです。

 

        製造業における若年就業者(34歳以下)の推移

f:id:utann:20201022163859j:plain

 2000年の423万人から減少傾向でしたが2015年に261万人まで落ちた後は増加傾向にありました。2019年にはふたたび減少となっており、新型コロナウイルスが雇用に与えある影響を考えると、今後においても楽観できる要因はありません。

 このように製造業の就業者数は減少しているのですが、一方増加している労働力もあります。それは外国人労働者です。

 次の表は外国人労働者の推移です。

 

        産業全体、製造業における外国人労働者の推移

f:id:utann:20201022163917j:plain

 2015年(平成27年)の製造業における外国人労働者は295,761人でしたが2019年(令和元年)では483,278人にまで増えています。およそ1.6倍の増加です。産業全体でも増加しており、今や日本経済にとって外国人労働者は不可欠な存在と言えるでしょう。

 日本の企業の採用活動では、新規学卒一括採用が主に行われています。

次のグラフは新規学卒者の製造業への入職者数とその割合を、企業規模別に集計したものです。

 

      製造業における新規学卒者数と製造業への入職割合の推移

f:id:utann:20201022163938j:plain

 製造業への新規学卒者の入職者数は、長期的には増減を繰り返していますが直近では2013年の129.5万人から増加し2017年には155.8万人となっています。入職者割合は2014年に10.7%と最低を記録しましたが2017年には11.8%と増加しています。

しかし、企業規模間の格差は拡大しています。300人以上の規模では2016年より24.4%増加しているのに対して、299人以下では35.7%も減少しています。

 高齢者についても見ておきましょう。

 

         就業者に占める若年者・高齢者の割合の推移

f:id:utann:20201022164000j:plain

 製造業に占める65歳以上の高齢者の割合は2000年で4.5%であり、全産業の7.5%を下回っています。就業者の高齢化は進み、2019年の全産業では13.3%にまで上昇しています。製造業に占める高齢者の割合も8.8%にまで上昇していますが、全産業ほどの上昇ではありません。

逆に15~34歳の若年者では減少を続けており、2019年では全産業で25.1%、製造業でも24.8%と大差ないデータとなっています。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)