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日本の製造業の現状

日本の製造業の現状

 

2020年版ものづくり白書から、現在の日本の製造業の現状を確認しましょう。

まずは製造業がGDPに占める割合です。

 

            業種別GDP構成比の変化

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2008年で21.4%、2018年で20.7%と少し減少していますが、依然として製造業が日本経済を支える存在であることは間違いありません。

ではその製造業の業績はどうなっているのでしょうか。

製造業には様々な業種があります。次のグラフは業種ごとに営業利益の推移を見たものです。

 

             営業利益の推移(製造業業種別)

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2011年の東日本大震災の復興過程である2012年から営業利益は伸びていますが、2016年に一旦さがっています。これは熊本地震による国内経済、イギリスのEU離脱への国民投票等の不安定な国際経済情勢によるものです。

また2017年には持ち直したものの、2018年、2019年と足下でも減少しています。中国経済の減速や台風、暖冬等により個人消費の落ち込みが響いた結果です。

 

下図は、会計年度ごと見た製造業の売上と営業利益に関する認識です。

 

    業界の動向(売上高)        業界の動向(営業利益)

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売上高も営業利益も「やや減少」「減少」が増加しています。売上高では2017年と比べて2019年は約3倍、営業利益も約2倍「減少」が増えています。製造業が苦しい立場に置かれていることが読み取れます。

業績が下降している原因を調査した結果が下図です。

 

                 業績の増減理由

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営業利益が増加した理由では「販路開拓・シェア拡大」が53.5%と最も多く、「景気の持ち直し」が48.3%となっています。

営業利益が減少した理由では、「不況・景気の後退」が70.7%と最も高く、次いで

「人件費の上昇」が42.3%となっています。

景気から受ける影響が、良い方向に働いたり業績が悪化する方向に働くなど、業種、企業により異なるようです。しかしそのような外部要因にもかかわらず販路を開拓してシェアを拡大した企業は好業績を上げているようです。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)