オッカムの剃刀
ある事柄の説明に際し、必要以上に多くを仮定すべきではない。
【解説】
オッカムとは14世紀の哲学者・神学者の名前です。オッカムの剃刀の考え方自体は、11世紀に確立したスコラ哲学にあるのですが、オッカムが多用したことからこのように呼ばれています。
剃刀とは物々しい例えですが、説明に不要なものを削ぎ落すことの揶揄です。そのため思考節約の法則、思考経済の法則と呼ばれることもあります。
【信憑性】
なにせ哲学由来の考え方です。心理学や統計学にも取り入れられている考え方です。
一種の思考法として確立していると言えるでしょう。
【適用例】
剃刀で削ぎ落すのはあくまで不必要な部分です。オッカム自身も「理論はできるだけ単純にせよ。但し限度はある」と述べており、大事なものまで削ぎ落すことを戒めています。
シリコンバレーが発祥地とされるエレベーターピッチは、エレベーターに乗っている間のような短い時間で自分のビジネスを紹介する手法です。多くの投資案件を抱えている投資家から投資を引き出すには、短い時間であっても相手の関心を引くことができるプレゼンを行わなければなりません。
短い時間でプレゼンを行うには、本質を見きわめて重要でない部分は切り捨てる覚悟が必要です。それだけ自分のビジネスについて普段から真剣に考えることが求められます。
また今はいろいろな情報を入手することができますが、情報に振り回されないようにするためには、情報収集の目的をしっかり意識しておかなければなりません。
オッカムの剃刀は、本質を見きわめること、目的を見失ってはいけないことを教えてくれます。