マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

組織の設計原理

組織の設計原理

専門化の原則

権限責任一致の原則

命令統一の原則

統制範囲の原則

例外の原則 

どのような組織にするか、その設計にあたり考慮すべき5つの原則があります。

①専門化の原則

まず一人ではできないことを実現するために人を集めて組織とするわけですので、各人が何をするのか決めておく必要があります。誰が何をするかを決めることで、次のようなメリットがあります。

・遂行する業務を特定することで、早期にその業務を習熟することができる

・専門的なスキル・知識を持つ者に担当させることで、業務の効率化が図れる

・特定の業務の遂行を担当する部署を決めることで、業務における冗長性を排除できる

 

②権限責任一致の原則

部下には、要求される水準で職務を完遂する責任があります。職務をスムーズに遂行するためには、必要な権限を部下に与えなければなりません。権限を与えず責任だけを問う上司は無責任です。権限と責任の範囲は統一しておくことが原則です。

 

③命令統一の原則

組織には命令系統があります。人間でいう神経系統。命令は上から下に一直線に伝わらなければなりません。もし命令が横から入ったり、直属の上司を飛び越えて更に上の立場から飛んできたりすると組織の秩序が乱れ、下位の者は混乱します。命令は直属の上司から降ろされるのが原則です。

 

④統制範囲の原則(スパンオブコントロール

一人の上司が管理できる部下の数はいくらが適正か。一般的には7名程度と言われていますが、その企業の業種や担う業務により適正な部下の数は異なります。また部下の業務に対する習熟度合いによっても異なってきます。

組織における管理機能としてとらえれば、以下のような場合には統制範囲を広くできます。一人の上司が管理する部下の数を多くすることができます。

 ・管理者の例外処理能力が高い

・作業の標準化が図れている

・管理者を補佐するスタッフが配置されている

・部下の能力が高く、ある程度の例外処理が行える

 

⑤例外の原則

これは管理者の意思決定に関わる原則です。職務には日常的に発生する定型的な職務とイレギュラーに発生するトラブルの処理などの非定型的な職務があります。それに共にい意思決定にも定型的な意思決定と非定型的な意思決定があります。日常的な定型的職務に関する意思決定と遂行は部下に任せて、上司は非定型的な意思決定を行う必要があります。上司が行った非定型的な意思決定に従い、部下が非定型的な職務を遂行します。場合によっては、上司も協力して職務遂行に当たります。

下位の者に日常的な意思決定を任せることから、権限移譲の原則とも言われます。