中小企業・小規模事業者の現状 業況
2021年版中小企業白書から中小企業と小規模事業者の現状を見てみましょう。
まずは (株)東京商工リサーチ「第14 回新型コロナウイルスに関するアンケート
調査」から感染症の企業活動への影響を見てみます。
実に7割以上の中小企業・小規模事業者に感染症の影響が出ています。「影響が出たが、すでに収束した」が8.6%、「現時点では影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が15.3%あります。調査の時点が2001年3月ですので、今現在、どのような状況にあるのでしょうか。気になるところです。
次に企業規模別の業況判断DIを見てみましょう。
中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」からのデータです。
これまでもリーマン・ショック、東日本大震災、消費税率引き上げ等により落ち込みは見られました。2020年に入ると業況判断DIは、これまでにない急激な低下を示します。その後は上昇に転じます。しかし、2021年第1四半期では再び低下しています。
業況判断DIを業種別に見たのが次のグラフです。
目を引くのは建設業です。建設業以外の業種は2020年第2四半期にリーマン・ショック以上の急激な落ち込みを見せています。その後、回復していますが2021年第1四半期になると、卸売業、小売業、サービス業で再び低下を始めています。ちなみに2020年第2四半期で一番大きく低下したサービス業は宿泊業、次いで飲食業でした。
兎にも角にも2020年第2四半期における中小企業の業況は大変厳しいものであったことが確認できました。また2021年になっても、一部の業種で厳しい状況となっているようです。
(図表は2021年版中小企業白書より引用)