売上高の回復に向けて
感染症の流行により2020年において、多くの中小企業の売上高が低下していることを確認しました。ここでは、売上高回復の見通しについて2021年版中小企業白書よりデータを紹介します。
売上高が感染症流行前の水準に戻るのはいつか。
まず従業員規模で見てみると規模間でも差はないようです。「既に戻っている」と回答している企業がどの規模でも2割程度存在するのに対して、「戻ることはない」と回答してる企業が1割弱存在しています。一番多い回答は「2021年頃」ですが、既に2021年になり半年が過ぎました。
現状はどの程度、売上高が回復しているのでしょうか。
次は業種別に見た売上高の回復予測です。業種による差があることが分かります。宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業では、売上高の回復に時間を要すると考えているようです。特に飲食サービス業、生活関連サービス業では「戻ることはない」の回答が2割近く存在し、厳しい状況が伝わってきます。
更に顧客属性別に見たデータです。消費者向けの方が売上高の水準の回復に時間を要すると考えていることが分かります。
個人向けのビジネスにおいて、今後どのようなサービスが求められているのでしょうか。次のグラフは世界18か国の1万5千人におこなったアンケートの結果です。
感染症流行後にも利用を継続したいサービスとして「ネットショッピング」が49%と最も高い回答でした。次いで「家での運動」が43%、「モバイル決済」が41%、「ビデオ通話」が35%となっています。
今後のビジネス展開を考えるにあたり、参考になるデータではないでしょうか。
(図表は2021年版中小企業白書より引用)