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中小企業における事業承継の現状

中小企業における事業承継の現状

 

今後、多くの中小企業が事業承継や廃業を行うことになります。

先のブログでは休廃業・解散の実態を見ましたので、ここでは事業承継について見ていきます。次のグラフは、2021年版中小企業白書に掲載されている㈱東京商工リサーチの「企業情報ファイル」を基に集計した経営者交代数の推移です。毎年、年間3万6千件前後の経営者交代が生じていることが分かります。

 

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次のグラフは従業員規模別に経営者が交代した企業において、交代前後の経営者の平均年齢を調べたものです。規模が小さい企業ほど交代前の経営者の年齢が高く、規模が大きい企業ほど交代前の年齢が低くなっています。規模が小さいほど事業承継時期が遅いことが読み取れます。

また規模の小さい企業程交代後の経営者の年齢は低く、規模が大きい企業ほど交代後の年齢が高くなっています。規模が小さい企業の方が、事業承継により経営者が若返っていることが読み取れます。

 

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 さらに事業承継した経営者の就任経緯の推移を見ていきます。次のグラフによると、近年同族承継の割合が減少しています。2020年では「同族承継」は34.2%に対して「社内昇格」が31.4%とほぼ同じ割合になっています。また「外部招聘」の割合も増加しており、事業承継が同族外でも行われていることが分かります。

 

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(図表は2021年版中小企業白書より引用)