マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

経営力を高める取り組み

経営力を高める取り組み

 

経営者の意思決定により会社は経営されています。「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の経営資源は経営者により配分され、活用されます。そこには一般の従業員以上の経営知識やスキルが求められます。日々の経営からの経験の蓄積もさることながら、社内外から積極的に学ぶ姿勢も必要となります。

2022年版中小企業白書では、経営者が経営力を高めるために行っている取り組みを紹介しています。

まずは経営に関する学習時間に対する自己評価です。

 

 

38.3%の「十分な時間を確保できている」に対して「十分な時間を確保できていない」の回答が61.7%もあります。この学習時間の差は、実際の経営に何らかの影響を与えているのでしょうか。

 

 

倍の差が出ました。「学習時間を意図的に確保している」経営者の企業では売上高増加率が10.5%に対して、「学習時間を意図的に確保していない」経営者の企業では5.3%に留まっています。2015年と2020年の5年間の比較で大きな差となっています。

その学習時間とは、具体的にどれ位の時間なのでしょうか。

 

 

「学習時間を意図的に確保し、定期的に学習」では26時間以上が16.4%。11時間以上にまで広げると52.8%と半数以上になります。忙しい経営者ですから、意図的に学習時間を確保する必要があります。

では実際にどんな取り組みを行っているのでしょうか。ここでは経営方針を「売上拡大・利益拡大」と「売上拡大・利益拡大以外」に分けて調査しています。「売上拡大・利益拡大以外」は、「現状維持」、「縮小させながら存続」、「廃業・譲渡予定」、「その他」を合計したものです。

 

 

「特にない」以外の全ての項目で経営方針を「売上拡大・利益拡大」としている企業の方が高い値を示しています。どちらの経営方針でも「専門書やビジネス書の読書」が一番高く、次いで「無料の経営者向けの研修やセミナーの受講」が高くなっています。これらは比較的費用も掛からず、取り組みやすいことから高い値となっていると思われます。

経営に関する学習を行うにあたり、何が学習の機会となっているのでしょうか。

 

 

「税理士やコンサルタント」と「業界団体や同業者・取引先のネットワーク」が共に6割を超える回答となっています。また「研修・セミナーを主催する民間企業」が47.8%と「商工会・商工会議所」や「商工会・商工会議所以外の公的支援機関」よりも高い値となっています。民間企業の方が専門性が高く選択の幅が広いことが関係しているのかも知れません。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)