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スタートアップの現状

スタートアップの現状

 

経済の新陳代謝にはスタートアップが不可欠です。かねてより、日本は欧米よりもスタートアップの数が少ないと言われていました。スタートアップを取り巻く現状はどうなっているのでしょうか。

まずはスタートアップの資金調達の状況を確認しましょう。

 

 

国内におけるスタートアップの資金調達額の推移は、これまで堅調に伸びてきました。2020年は感染症の流行により減少しておりますが、2021年には再び増加しています。

ではどのような投資家がスタートアップに資金提供をしているのでしょうか。

 

 

VCが3,899億円と最も多く、次いで海外法人が3,311億円と続きます。これにより総額では1兆円を超える金額となっています。

とはいえVCの投資の対GDP比を国際比較すると下のグラフの結果となります。

 

 

米国とはケタが違います。フランスで日本の2倍、カナダでは6倍です。どれくらいが妥当かという判断基準はありませんが、今後、更に増えて行くことを期待したいところです。

さて実際に起業するには資金だけではなく様々な障壁があります。障壁を乗り越えていくには本人の決意や努力だけでなく、サポートしてくれる人材も必要です。

下のグラフは起業に当たり最も影響を受けた人を調べたデータです。

 

「身の周りにいた起業家(友人、先輩等)」が33.8%、「同じ思いの友人」が13.2%と身近に実際に起業した人や同じく起業を志す人がいることが起業に結び付いているようです。一方で「影響を受けた人はいない」との回答も12.5%あります。強い思いで起業を志す人も一定割合存在することが分かります。

さて起業家自身は、日本で起業が少ない原因を何だと考えているのでしょうか。

 

 

「失敗に対する危惧」が39.2%と2位の「学校教育」の2倍近い回答となっています。

失敗した時の不安を払拭することがスタートアップを増やすことに繋がります。また「身近に起業家がいない」との回答も10.8%あります。影響を受けた人のトップが「身の回りにいた起業家」であったことを鑑みると、起業家が増えて行くことが新たな起業家を生むことに繋がることが分かります。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)