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使用権移転

使用権移転

 

使用権移転とは、所有権を維持したまま契約相手に使用できる権利を渡すことでビジネスを展開することを意味しています。代表的な例としては、レンタルやリースがあります。また古くは貸本屋という業態もありました。

従来は所有権を業者側が維持し、事業者や消費者に対象となる財産を貸す形態がとられていました。ですが最近では、民泊や自宅の駐車場を貸すなど個人が有する資産の遊休時間を貸すことで成立するビジネスも行われています。これはインターネット上に提供者と利用者が出会う場を設けることにより、個人で利用者を探す手間暇を省くことに価値を見出したビジネスです。

特許やソフトなどの無形資産では、ライセンスという形態で契約されます。契約時に全額を払うランプサム・ペイメント、使用する程度に応じて支払額を決めるランニング・ロイヤリティ等ロイヤリティの計算と支払い方法は様々です。またソフトではインストールできるハードの数で使用料を決めています。

 

使用権移転を軸にビジネスを設計する場合、利用者をどう集めるかも重要ですが、使用している間の資産管理をどのようにするか、が重要となります。CDやDVDのレンタルでは返却が遅れたり破損したりするとペナルティが課されます。貸本などでは借りる時に保証金を入れ返却時に返金することで、貸本が帰ってこないリスクをヘッジをしていました。使用権を渡す資産を毀損されては以後のビジネスを展開できませんので、資産管理の方法をよく検討しておく必要があります。