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サブスクリプション

サブスクリプション

個々の商品やサービスに料金を支払うのではなく、一定期間使用できる権利に対して定額料金を支払うビジネスモデル。

 

【ビジネルモデルの内容】

 サブスクリプションとは、元来雑誌や新聞等を一定期間、定額料金で提供することを指していました。しかし近年、コンピュータソフトの年間契約料金や音楽や映画の定額配信サービスが一般化するに従い、様々な商品の定額料金制に用いられるようになりました。

音楽や映画では、CDやDVDはあくまで媒体です。消費者が求めているのは音楽データであり映像データです。つまり情報です。情報は使うことで目減りしませんし配送コストも不要ですので、消費者が使用する量に関係なく一定額を徴収することが合理的となります。消費者としては一定額を支払っていれば、追加料金の心配もなく好きなだけ音楽を聴いたり、映画を見ることができます。

 

【ビジネスモデルの根幹】

 サブスクリプションの根幹には、「購入の障壁除去」と「ローコストオペレーション」があります。

消費者は一定額を支払っておけば、どれだけ利用しても追加の料金を負担することはありません。割安感を持つ定額を設定できれば、消費者を呼び込むことができます。

また音楽や映画の場合、提供されるのは電子データです。従って、消費者に利用される度に再生産する必要がありません。インターネットでに配信であれば、配送コストも不要のためオペレーションコストも低くて済みます。ローコストでオペレーションが展開できますので、定額でもしっかり利益を稼ぐことができるのです。

 

【応用例】

サブスクリプションを一定額でのサービス提供と捉えれば、バイキング形式の食べ放題もその一例となります。1時間や2時間の制限の中でならばいくらでも食べても良いサービスであり、一品ごとに注文に応じて料理する必要はありません。そのため食材の仕入れの合理化が図れます。

定額料金で手作り料理のテイクアウトを予約できるPOTLUCK(ポットラック)というサービスもあります。登録されたレストランから選んでテイクアウトを予約するサービズであり渋谷を中心に展開しています。利用者はお店の混雑を避けることができ、帰宅時間に合わせて予約すれば夕食を作る手間を省くことができます。

サブスクリプションのビジネスモデルは、アイデア次第で様々な新しいサービスを生み出すことができます。

 

【問題点】

サブスクリプションのビジネスを成功させるには、いくつかの条件があります。

①コンテンツの量
どれだけ魅力的なコンテンツを揃えることがきでるかが、このビジネスモデルの成否を決めます。音楽でも映画でもコンテンツの数が多ければ多いほど、消費者の関心を引くことができます。
 
②コンテンツの質
聞いたことのない音楽、話題に上がったこともない映画などに関心を持つ人は、どれくらいいるのでしょうか。有名なミュージシャン、話題作、最新作等の呼び水となるコンテンツがあればこそ、利用者も増えます。バイキングでも料理や食材の種類が少なく美味しくなければ集客できません。
 
③コンテンツの鮮度
常に新しいコンテンツを追加していかなければなりません。新作ばかりでなく旧作も含めてコンテンツを追加していくことにより、利用者を引き付けておくことができます。バイキングでも季節料理を用意するなど飽きさせない工夫が必要です。
 
④ローコストの仕組み
どれだけローコストで商品やサービスを提供できるかも重要です。バイキングではセルフサービス形式を採用しているケースが多いですが、これは給仕する人件費を削減する目的があります。情報コンテンツはローコストでの提供が行いやすく、サブスクリプションに適している商材です。

 

サブスクリプションは料金の徴収方法の一形態ですが、ビジネスの設計自体を変えてしまうほどのパワーがあります。既存のビジネスでもサブスクリプションを取り入れることができないか、検討してみる価値はあります。