1万時間の法則
特定の分野で一流になるには、1万時間の練習が必要である。
【解説】
この法則は、英国生まれの作家マルコム・グラッドウェル氏が、その著書「天才!成功する人々の法則」(講談社 2009年)で紹介しています。
その根拠には、フロリダ州立大学のアンダース・エリクソン教授の調査結果があります。音楽アカデミーでバイオリン奏者のスキルとこれまでの練習時間を調べたところ、現在の練習時間が同じでも、これまでの練習時間の長い学生の方がよりスキルが高い、との結果がでました。
ビジネスで考えてみます。
年間の就業日数をざっくりと240日、1日8時間労働と仮定すれば、1万時間の練習には約5.2年の年月が必要となります。
確かに5年強も仕事に打ち込めば、相当技量は上がるでしょう。
また起業や新規事業においても、5年も続けることができれば一応の成果を上げることができた、と評価しても良いかと思います。
【信憑性】
練習時間の目安として非常に分かりやすい法則ですが、次のような反論もあります。
・上達には練習だけではなく、才能や環境も影響する
・効率よく練習すれば、1万時間も必要ない
勿論、たとえ1万時間練習しても、本人の上達したいという意欲もなく、イヤイヤやらされているようでは一流になることはできないでしょう。
【適用例】
日本には「石の上にも三年」という似たような言葉があります。
この場合、「三年」というのはあくまで例示であり、辛いことがあっても辛抱強く続けていればいつかは事を成し遂げられる、という意味です。
この法則の「1万時間」も同様に、長く続けることの重要性を説いている、と捉えるべきでしょう。
マネジメントにおいては、長期間モチベーションを維持して業務に励んでもらうにはどうしたら良いか、を考える必要があります。
教育訓練や自己啓発において、参考になる法則です。