マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

エメットの法則

エメットの法則

 仕事を先延ばしすると、先延ばししなかった場合よりも多くの時間とエネルギーを必要とする。

 

 【解説】

 この法則は、経営コンサルタントのリタ・エメットがその著書「いまやろうと思っていたのに・・・必ず治るーそのグズな習慣」で紹介しているものです。

エメットの法則には次の2つの背景があります。

1 タスクを行うことへの不安は、タスクの実行そのものよりも、多くの時間とエネル  ギーを消耗する。

2 完璧主義こそ、先送りグセの原因である。

 

まずタスクを先送りすると、いざ取り掛かろうとした時、やろうとしていたことの詳細を思い出したり、手順を改めて考え直す必要が生じます。時間の経過によりタスクの目的や意義まで曖昧になってしまうと、手をつけることすら億劫になってしまい、取り掛かるのに多くのエネルギーが必要となります。

また完璧主義の人は、緻密なプランを立てて完璧な準備が整わなければタスクに取り掛かろうとしません。これではタスクを始める前に相当な時間とエネルギーを要することになってしまい、最悪の場合、いつまでたっても実行できないことになってしまいます。いくら完璧なプランを立て準備をしても、いざ実行するとなると変更しなければならないことも出てくるでしょう。

 

【信憑性】

 誰しも何らかの先送りは経験してるかと思います。むしろ完璧を目指すことを先送りの言い訳にしてることもありそうです。

先送りしたため、時間がなくなって不満足な結果しか残せなかった。これなどまさしく、先送りの弊害と言えるでしょう。

  

痛いところを突いてくるな、というエメットの法則ですが、思い当たる方は多いのではないでしょうか。

 

【適用例・対策】

エメットの法則に陥らないためには、どうしたらよいのか。

まず面倒な仕事を先に片付けることです。面倒な仕事ほど後回しにしがちですが、後回しにすればするほど手を付けにくくなります。また心理的な負担となり、他の仕事の遂行にも支障が出てきます。面倒だからこそ先に片付ければ、気を楽にさせることができます。

また完璧を目指すのではなく、完了を目指します。準備に拘らず、まず始めてみる。そして終わらせる。100点満点を目指すのではなく、今の状態から1%の改善を成し遂げる。目標が完璧では不十分な部分にばかり目が行き、ネガティブな心理状態になってしまいます。少しの改善を目標にすることで、成果を実感できポジティブな心理でタスクに向き合うことができるようになります。