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固定費分散

固定費分散

企業の利益は、下記の式で表すことができます。

売上-費用=利益

 

この式より利益を増やすには、売上を増やすか費用を減らす、あるいはその両方が必要となります。

更に費用は、固定費と変動費に分けることができます。固定費用を減らせば利益が増えます。その典型例として規模の経済が知られています。

 

規模の経済とは、生産量を増やすほど製品一つ当たりの平均費用が逓減していく現象です。平均費用は、固定費と変動費を合計した総費用を生産量で除して求めます。

固定費は家賃や従業員への基本給、保険料など生産量に関係なく発生する一定額の費用です。一定額ですから生産量が増えれば増えるほど、製品一つ当たりの固定費が減少していきます。つまり大量に生産するほど固定費が一つ一つの製品に分散されて、平均費用が逓減していくことになります。

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規模の経済は同一の製品を一度に大量に生産することで実現できますが、複数の製品を同時に生産することで固定費が減少することを範囲の経済といいます。複数の製品を生産することにより企業全体として必要な事務経費や広告費が分散されて、1つの製品だけを生産するよりも低コストで生産活動を行うことができます。

 

このように大量生産を行ったり複数の製品を生産することで、固定費を多くの製品に広く分散することができれば、総費用を減少させることが可能となり利益が増加するのです。