中小企業の働き方改革への取り組み
日本の人口は2013年の12,730万人をピークに減少しており、2030年には11,661万人になると予測されています。
人口が減るため労働力不足になることは確実であり、その解消には女性や高齢者などの働き手を増やす、出生率を上げる、労働生産性を向上させるの3つの対策があります。
これを実現するために日本社会が取り組んでいるのが働き方改革です。
働き方改革は、長時間労働の解消、非正規と正社員の格差是正、高齢者の就労促進を3つの柱として取り組まれています。
次のグラフは従業員規模別の働き方改革への取り組み状況です。
中小企業と大企業の区分のひとつである従業員数300人以下と以上と分けて見てみると、規模が小さくなるほど取り組みの割合は減りますが、そこそこの企業が働きかた改革に取り組んでいる実態が見えます。
続いて従業員規模別の働き方改革実施の狙いとして重要なものです。
どの規模でも「残業規制への対応」が多くなっています。これは中小企業でも
2020年4月から月45時間、年間360時間を超えて特別な事情がなければ残業させてはいけない、という労働基準法改正への対応によるものです。顕著な傾向は、従業員規模が300人以下の中小企業群では企業規模が小さくなるほど「従業員の満足度向上」と「人材の確保」の割合が高くなっていることです。満足度の高い企業であれば、人材も確保できる、ということでしょうか。
逆に「生産効率の向上」は、中小企業群では企業規模が小さくなるほど減少しています。
ではこれらの取り組みが働き方改革の柱の一つである労働生産性の向上に、どの程度寄与しているのか確認しましょう。
働き方改革実施の狙いとして重要なものの調査において、製造業では「従業員の満足度向上」、非製造業では「生産効率の向上」と回答した企業が、最も労働生産性を向上させています。
(図表は2020年度版中小企業白書より引用)