製造業の国内回帰の動き
2010年から2013年にかけて為替相場の円高を背景に、海外現地法人への投資が行われました。その後、円安方向への動きもあり、製造拠点の国内回帰が行われています。かつては産業の空洞化が懸念されていましたが、現在の国内回帰の状況を確認してみましょう。
海外で生産していた部品・部材を国内生産に戻したケースの有無
11.8%の企業が部品・部材の生産を国内に回帰させています。
ではどこの国から国内に戻しているのでしょうか。
どの国、地域から国内に戻したのか
中国・香港が56.1%と半数以上です。かつては人件費が安く魅力的な労働市場であった中国ですが、近年は人件費も高騰しています。商習慣の違いや知的財産保護の問題もあり、生産拠点としての魅力は薄れているようです。
次のグラフで、国内に戻した理由を確認しましょう。
どのような理由で国内に戻したか
一番多い理由は「人件費の高騰」で23.4%、次が「品質管理上の問題」で20.3%。
「米由貿易摩擦」が9.4%となっておりますが、2019年度調査時では、2.2%でした。米中貿易摩擦が製造業の国内回帰の背景となっているようです。
(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)