マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

2022年物価・為替の影響

2022年物価・為替の影響

物価や為替の変動は企業の業績に大きな影響を与えます。2022年の物価と為替が企業経営にどのような影響を与えたのか、確認することに致しましょう。

まずは消費者物価指数と国内企業物価指数の動きです。

 

消費者物価指数は、小売り段階での物価の動きを表す指標であり、2021年1月頃から上昇しています。

国内企業物価指数は、生産者の出荷または卸売の段階における物価の動きを指数化したものです。2020年12月から急激に上昇しており、消費者物価指数を上回っています。

 

国内だけでなく、輸入物価指数も確認いたしましょう。

 

上記のグラフは、輸入物価指数を円ベースと契約通貨ベースで見たデータです。

円ベース、契約通貨ベースともに2021年から2022年にかけて大幅に上昇しています。しかし、2022年後半から低下傾向にあり、円ベースの低下幅が大きくなっています。


これらの物価の動向が企業経営に与えた影響を見てみましょう。

 

 

2020年から2022年までの3年間の中小企業における売上高と経常利益に与えた原材料・資源高の影響です。売上高ではプラスの影響もマイナスの影響も増加していることがわかります。一方、経常利益ではプラスの影響は大して変化していませんが、マイナスの影響は直近になるに従って大きくなっています。

 

原材料や資源の価格は為替レートにより大きく変動します。

ここでは長期のドル円為替レートの推移を見てみます。

 

2016年からの円高傾向は、2021年に緩やかな円安傾向に転じています。2022年10月には1ドル150円台を記録しています。その後は円高方向へ振れますが2023年2月時点では1ドル130円前後となっています。

 

そのような円安傾向の中で、企業はどのような対応を取っているのでしょうか。

 

 

最も多い回答が「既存製品・サービスの値上げ」ですが、23.8%です。約4分の1の企業しか製品やサービスの値上げができていないようです。次いで「人件費以外の経費削減」が22.3%、「業務効率改善による収益力向上」が20.8%です。コスト削減や業務の改善により収益を確保する企業の姿が見えてきます。

 

(図表は2023年版中小企業白書より引用)