マネジメントの第一歩

ビジネスのヒントを綴っています

設計力強化作戦(2)

設計力強化作戦(2)

 

 製品設計力に続いて工程設計力の分析です。

製品設計力と同様に工程設計力の5年前との比較したデータです。

 

          工程設計力の5年前に比べての変化

      f:id:utann:20201021115623j:plain

「向上している」が36.9%、「あまり変化はない」が58.8%です。製品設計力の「向上している」が41.0%、「あまり変化はない」が54.1%でしたので、同様の傾向が見て取れます。

工程設計力が向上したと回答した企業にその要因を確認したデータが次のグラフです。

 

             工程設計力が向上した理由

f:id:utann:20201021115643j:plain

 「生産技術、製造、調達といった他部門との連携強化」が79.2%と高い値を示しています。次に高い「営業、アフターサービスなどから顧客ニーズのフィードバックを強化」が26.5%であり、製品設計のリードタイム短縮に重要な取り組みと同様、設計だけでなく他部門との連携が重要であることが読み取れます。

 

 上記のグラフでは工程設計力が「低下している」と回答した企業が4.3%ほど存在します。これらの企業はどのような理由で工程設計力が低下したのでしょうか。

 

              工程設計力が低下した理由

f:id:utann:20201021115704j:plain

 「ベテラン技術者の減少」が79.4%、「属人的な設計プロセス」が25.0%、「間接部門の人員削減」が19.1%と人的要因が上位を占めています。工程設計が熟練者に頼りがちで、その技術の伝承が進んでいない様子が伺えます。

また「製造現場との連携不足」が30.9%と2番目に高い値を示しており、ここでもエンジニアリングチャーンの機能強化が求められています。

 

(図表は2020年度版ものづくり白書より引用)