中小企業の設備投資
感染症の流行は企業の事業活動に多大な影響を与えています。企業の設備投資への意欲が低下する大きな要因ともなっていますが、このような環境でも設備投資を検討する企業は存在しています。但し、その投資に対するスタンスには変化が生じています。
次のグラフは、企業規模別に設備投資のスタンスを確認したものです。従来より「維持更新」のための設備投資が多かったのですが、2019年ころから低下を始め、感染症流行後は更に低下しています。一方、企業規模に関係なく「情報化への対応」が急カーブを描いて上昇しています。また2021年版中小企業白書では、「新事業への進出」も感染症流行後に上昇している投資目的として指摘しています。
次のグラフは感染症の流行が設備投資の実施に影響を与えたか、を設備投資の目的ごとに調べたものです。「設備の代替」、「維持・補修」は感染症の影響を受けずに投資が行われているようです。着目したいのは感染症の影響により「合理化・省力化」、「情報化関連」、「新規事業の進出」、「倉庫等物流関係」、「新製品の生産」を目的とする設備投資が行われているところです。
(図表は2021年版中小企業白書より引用)