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感染症の影響

感染症の影響

 

近年、技術革新やデジタル化が進みマクロ経済の分析にオルタナティブデータが利用されるようになってきました。オルタナティブデータは、これまでマクロ経済の統計に使用されていたデータ以外の携帯電話の位置情報や店舗での販売実績であるPOSデータ、衛星画像等のことです。金融投資における意思決定や政策の検討などに用いられています。

ここではまず、感染症の新規陽性者数の推移を地域ごとに確認します。期間は2020年1月から2021年12月までです。

グラフには、感染症の流行である第1波から第5波の発生とピークが如実に表れています。第5波のピークでは一日に2万5千人を超える新規陽性者が発生しています。

引き続きオミクロン株が主流となった2022年1月からのデータです。

 

2021年12月以前とは全くとなる新規陽性者の発生数です。いかに感染が急拡大したかが分かります。

下のグラフは「モバイル空間統計」を用いた主要駅周辺における15時台の人口変動増減率を感染症流行前と比較したデータです。「モバイル空間統計」とは、㈱NTTデータの携帯電話ネットワークシステムの位置情報から作成される人口統計データです。


国内9か所のデータですが、感染症流行前よりも人流が増加している日が多く観測されているのは札幌駅周辺や沖縄県庁周辺です。それ以外の場所では人流が減っている日が多く観測されています。

2022年版中小企業白書では、人流を示すデータとしてコラム欄で新幹線と高速道路の利用状況、主要な空港の利用状況を紹介しています。まずは東海旅行鉄道㈱が公表している感染症流行以前の輸送量と比較した新幹線の利用状況です。

 

続いて(独)日本高速道路保有・債務返済機構が公開している高速道路の利用状況です。データは、2019年との比較で表されています。

 

最後は国土交通省が公開する「空港管理状況調書」から2019年の国内線乗降客数上位10空港の2020年における利用状況です。2019年との比較で表されています。

 

新幹線、高速道路、空港等は都道府県をまたぐ移動の手段として利用されます。いずれの移動手段も感染拡大防止の観点から、長距離での移動を自粛していた様子が見て取れます。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)