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ビジネスと人権

ビジネスと人権

 

2022年版中小企業白書では、これまでの白書では見たことのないデータが紹介されていました。

日本政府は2020年10月に「ビジネスと人権」に関する行動計画を策定し、企業に対して人権デュー・ディリジェンスのプロセスの導入への期待を表明しています。企業の業種や規模に関係なく期待されているため、今後、中小企業であっても対応が求められることになります。

 

 

では企業側としては、どの程度、人権尊重の重要性を認識しているのでしょうか。下のグラフで確認しましょう。

 

 

従業員規模の大きな企業ほど人権尊重の重要性の認識度が高くなるのは当然ですが、0~5人の従業員規模の企業でも約7割が人権尊重の重要性を認識しています。

「人権を尊重する責任を果たす、という企業のコミットメントを示す方針」を人権方針と呼びます。人権尊重の重要性は認識されていても、この人権方針まで策定している企業はどれくらい存在するのでしょうか。

 

301人以上の従業員規模の企業では32.5%が人権方針を「既に策定している」と回答しています。しかし、「策定しておらず、今後策定することも検討していない」との回答が19.4%も存在してます。その割合は従業員規模が小さくなるほど増え、0~5人の従業員規模の企業では、38.1%になっています。

当然のことながら人権デュー・ディリジェンスともなれば更に実施状況は低くなります。

 

301人以上の規模でも「自社のみ実施」まで広げても約2割程度の人権デュー・ディリジェンスの実施状況です。

人権尊重の重要性は認識しているが、実際の取組となるとまだまだ浸透していないのが現状のようです。

 

(図表は2022年版中小企業白書より引用)